綜説
C3腎症(C3 glomerulopathy)
澤井 俊宏
1
,
奥田 雄介
2
1滋賀医科大学小児科
2Division of Nephrology and Hypertension, University of California, Irvine
キーワード:
補体介在性腎疾患
,
補体制御異常症
,
C3腎炎因子
,
C3 Nephritic factor
,
膜性増殖性糸球体腎炎
Keyword:
補体介在性腎疾患
,
補体制御異常症
,
C3腎炎因子
,
C3 Nephritic factor
,
膜性増殖性糸球体腎炎
pp.1215-1222
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000551
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C3腎症とは,補体第二経路の制御異常に関連して生じる慢性糸球体腎炎である.従来は病理組織所見によって膜性増殖性糸球体腎炎と分類されていたが,病因によって再分類された比較的新しい疾患概念で,2013年に診断基準が発表された.補体因子の遺伝子異常や,補体制御因子に対する自己抗体が原因として考えられている.わが国においても,近年,補体学的な検査体制が整備されつつある.C3腎症の治療としてステロイド薬や免疫抑制薬が試みられるが,奏効しない例もあり,診断から6年で35%が腎不全に至る予後不良な疾患である.今後,臨床経過の推移と腎病理組織所見,補体学的な評価を総合して,適切な治療方針を確立し予後を改善することが期待される.
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