特集 血液病と中枢神経病変
1.白血病の中枢神経病変
齋藤健
1
,
薄井紀子
2
Takeshi Saito
1
,
Noriko Usui
2
1東京慈恵会医科大学 内科学(腫瘍・血液)
2東京慈恵会医科大学 教授
pp.1213-1219
発行日 2013年8月30日
Published Date 2013/8/30
DOI https://doi.org/10.20837/52013091213
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中枢神経白血病とは,脳実質・脊髄への白血病浸潤や腫瘤形成を主体とする病態と,髄膜・脳脊髄液への白血病浸潤を主体とする髄膜白血病を包括する概念である。適切な中枢神経浸潤予防がなされていない場合,AMLの5~10%,ALLの30~75%の頻度で中枢神経浸潤を発症する。髄膜刺激症状や腫瘤形成による局所症状,脳圧亢進症状を呈し,診断には頭部造影MRI,脳脊髄液の病理学的検査,表面マーカー検査,PCR法などが有用である。中枢神経浸潤の予防・治療には大量メトトレキサート療法,大量シタラビン療法,髄腔内への抗がん剤投与,全脳・全脊髄照射などが行われる。また,脳出血や白血病治療に合併する特徴的な中枢神経病変として,白質脳症などに注意が必要である。