特集 遺伝的素因による血栓症
7.血栓症のモデルマウス
坂野史明
1
Fumiaki Banno
1
1国立循環器病研究センター 分子病態部
pp.73-79
発行日 2014年12月30日
Published Date 2014/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201501073
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現在までに,多くの血栓形成に関わる因子の遺伝子改変マウスが作製されてきた。血液凝固因子や血小板凝集を促進する因子の遺伝子欠損マウスは出血症状を呈し,多くは胎生致死となる。一方,凝固制御因子や血小板凝集を制御する因子の遺伝子欠損マウスは血栓症状を呈する。これらは出血モデルマウスに比べると種類は少ないが,現代の病として重要度の高い血栓症の疾患モデルとして様々な解析に利用されている。本稿では血栓傾向を持つモデルマウスとして,我々が樹立したADAMTS13(フォンウィルブランド因子切断酵素)遺伝子欠損マウスを例に挙げ,脳梗塞モデル,心筋梗塞モデル,深部静脈血栓症モデルを用いて解析した結果を紹介した。