特集 免疫制御によるがん治療
序 ~ヒト腫瘍免疫学とがん免疫療法の最近の進歩~
河上裕
1
Yutaka Kawakami
1
1慶應義塾大学医学部 先端医科学研究所 細胞情報研究部門 教授
pp.1593-1596
発行日 2014年10月30日
Published Date 2014/10/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201411017
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最近,免疫チェックポイント阻害療法とT細胞を用いた養子免疫療法により,造血器腫瘍を含む複数のがん種で,進行がんに対しても持続する強力な治療効果が示され,がん免疫療法はがん治療における主要トピックスとなり,さらなる改良が期待されている。そのためには,免疫状態の個人差の解明と,免疫療法の効果を予測するバイオマーカーの同定,また複合免疫療法による治療効果の改善,さらに個々の症例の免疫状態評価に基づいた個別化がん免疫療法の開発が期待されている。これらを解決するためには,ヒト免疫病態のさらなる解明が重要である。