連載 知っておきたい産科免疫学の話・1
産科免疫学とは—序にかえて
竹内 正七
1
,
高桑 好一
1
1新潟大学医学部産婦人科
pp.337-342
発行日 1987年4月25日
Published Date 1987/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207116
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はじめに
最近,免疫という言葉をよく耳にすることがあると思いますが,免疫の本来の意味は「疫を免ずる」すなわち,災難などから免れるということです。そこから転じて,われわれにとっての大変な災厄である疾病に対する自然の抵抗力を意味するようになりました。古くは免疫学といえば病原微生物による感染症に対する免疫,すなわち感染免疫に関する学問と考えられていましたが,研究の急速な進展に伴い,今日では医学全般ときわめて密接な関連性を有していることが明らかとなり,現代医学は免疫学を抜きにしては語れないようになっています。これはわれわれの専門とする産科学においても例外ではありません。この連載では,産科領域において重要と思われる免疫学的事項を,テーマを決めて概説していく予定です。今回はその序論として産科と免疫学との関わりについて述べたいと思います。
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