Japanese
English
綜説
免疫最近の進歩
Recent Progress in Immunology
野口 義圀
1
Yoshikuni NOGUCHI
1
1帝京大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine
pp.1047-1058
発行日 1979年12月1日
Published Date 1979/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202149
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最近における免疫学の進歩は目覚しく,その前衛は分子生物学の理論と方法とを駆使し,未知の分野の開拓に貢献している.臨床医にとって,それらのデッサンを描くことすら容易なことではないが,将来の医学の背骨ともいうべき免疫学の最近における話題について触れてみたい.
さて第3同国際免疫学会は1977年7月,濠州のSydneyで行われた1).そこでとり上げられたシンポジウムのテーマを見ると,リンパ球などの細胞膜,移植抗原,細菌性膜抗原,TおよびBリンパ球の個体発生と分化,免疫グロブリンの遺伝子表現,主要組織適合性抗原と免疫応答,免疫寛容と制御,腫瘍免疫などが主なものであった.もちろん同じ傾向は,本邦における免疫関係の3学会,日本臨床免疫学会(昭和53年6月,東京),日本アレルギー学会(同年11月,熊本),日木免疫学会(同年11月,京都)にもうかがわれた.ただし,macrophage (Mφ)を主とする貧食細胞の免疫応答における関与が新しい話題として注目された.
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