特集 骨髄異形成症候群(MDS)の病態解明と治療の現状
2.遺伝子/ゲノム異常からみた骨髄異形成症候群
塩澤裕介
1
Yusuke Shiozawa
1
1京都大学大学院 医学系研究科 腫瘍生物学講座
pp.1455-1462
発行日 2014年9月30日
Published Date 2014/9/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201410029
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近年のゲノム解析技術の発展により,MDSの新たなゲノム異常,特に遺伝子変異が数多く同定された。最も高頻度に見られるRNAスプライシング関連遺伝子の変異は,他の骨髄系腫瘍では頻度が低く,MDSに特徴的な異常である。また,骨髄系腫瘍全体に共通する異常として,エピジェネシス制御因子の変異も高頻度に認められる。これらの変異はMDSの病型,クローン進展,予後といった病態と密接に関連している。今後は個々の遺伝子変異の病態を解明し,治療応用につなげることが期待される。