特集 骨髄異形成症候群(MDS)の病態解明と治療の現状
1.骨髄異形成症候群の免疫病態
山﨑宏人
1
Hirohito Yamazaki
1
1金沢大学附属病院 輸血部 准教授
pp.1447-1454
発行日 2014年9月30日
Published Date 2014/9/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201410021
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骨髄異形成症候群(MDS)は,骨髄系幹細胞由来のクローン性疾患と考えられている。しかし,低リスク例の中には免疫抑制療法により造血回復が得られる一群が存在する。このような例では,再生不良性貧血と同様の免疫病態が関与していると考えられており,その診断には発作性夜間ヘモグロビン尿症型血球の検出や血漿トロンボポエチン値の測定など,再生不良性貧血の病態診断に用いられる手法がそのまま応用できる。免疫病態の解明はMDSの治療成績向上につながることが期待される。