特集 血液病の皮膚病変を診る
1.皮膚を主体とする血管炎と全身疾患
川上民裕
1
Tamihiro Kawakami
1
1聖マリアンナ医科大学 皮膚科学教室 准教授
pp.687-693
発行日 2014年4月30日
Published Date 2014/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201405029
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皮膚症状が主体となる血管炎は,Chapel Hill分類2012のIgA血管炎,クリオグロブリン血症性血管炎,(低補体血症性)蕁麻疹様血管炎,皮膚動脈炎があげられる。IgA血管炎はpalpable purpuraが特徴的で,IgA沈着を確認し,腎糸球体(紫斑病性腎炎)と急性腸炎の存在に注意を払う。低温環境での沈殿から寒冷曝露で皮疹が出るクリオグロブリン血症性血管炎は,ウイルス性肝炎,膠原病,悪性リンパ腫を意識する。長引く膨疹・蕁麻疹が特徴的な蕁麻疹様血管炎は,低補体血症,SLEを意識する。網状皮斑(リベド),特にlivedo racemosaが特徴的な皮膚動脈炎は,抗リン脂質抗体が陽性となり,脳梗塞,下肢動脈閉塞の存在に注意を払う。