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特集 最近のトピックス2008 Clinical Dermatology 2008
2. 皮膚疾患の病態
皮膚血管炎および血管炎を伴わない血管炎類似疾患
Cutaneous vasculitis and vasculitis-like syndromes
陳 科榮
1
Ko-Ron CHEN
1
1東京都済生会中央病院皮膚科
1Department of Dermatology, Saiseikai Central Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
皮膚血管炎
,
血管炎類似疾患
,
組織診断
Keyword:
皮膚血管炎
,
血管炎類似疾患
,
組織診断
pp.46-50
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101942
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要約 皮膚血管炎は組織学的に真皮小血管の血管炎と皮下組織の筋性動静脈炎とに分けることができる.それぞれの組織診断基準について提示した.真皮の血管炎は主に細静脈炎であり,Henoch-Schönlein紫斑病や原因不明の皮膚限局性のものが多い.皮下組織の動脈炎を呈する疾患は皮膚型結節性動脈炎が多いが,他の疾患にもみられる.真皮小血管と皮下組織の筋性小動脈がともに侵される疾患は,ANCA関連血管炎などの全身性血管炎疾患にみられる.血栓性静脈炎は組織学的に動脈炎と間違えられやすい.下腿筋性動静脈の区別は,内弾性板の有無よりも血管壁の構造と弾性線維の多さで評価する.血管炎類似疾患は炎症性細胞浸潤による血管の破壊像はみられないが,多様な原因による閉塞性病変または出血性病変を生ずるため,血管炎と同様の臨床所見を呈する.しかし,両者の治療法はまったく異なる場合もあるので,決め手となる病理組織所見によって診断する必要がある.
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