特集2 成人血友病患者における周術期管理の実際
5.成人血友病患者に対する手術〈3〉:軽症血友病Aに対するアドベイトのボーラス投与による虫垂炎手術例
近澤悠志
1
,
福武勝幸
2
Yushi Chikasawa
1
,
Katsuyuki Fukutake
2
1東京医科大学 臨床検査医学講座 助教
2東京医科大学 臨床検査医学講座 主任教授
pp.429-435
発行日 2014年2月28日
Published Date 2014/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201403113
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血友病患者の血液凝固因子製剤の補充方法としてボーラス投与は最も一般的な方法であり,周術期においても基本的な選択肢である。ボーラス投与を行う際,血友病Aと血友病Bで製剤の回収率および半減期に若干の違いがあるので,投与スケジュールを組む際には注意が必要である。周術期の製剤投与の投与量や投与間隔,投与期間などは手術侵襲の大きさにより異なるが,出血症状などをみながら症例ごとに調整する。術前に薬物動態試験を行い,製剤の回収率,半減期を知っておくと,より安全な投与計画が立てられ,その後の調整に有利となる。