特集1 好酸球増加症
3.好酸球増加を伴う造血器腫瘍 ~変わりゆくHES/CEL(hypereosinophilic syndrome/chronic eosinophilic leukemia)の概念~
定明子
1
,
松井利充
2
Akiko Sada
1
,
Toshimitsu Matsui
2
1神戸大学大学院 医学研究科 内科学講座 血液内科学
2西脇市立 西脇病院 血液内科 部長
pp.353-363
発行日 2014年2月28日
Published Date 2014/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201403037
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好酸球増加を伴う造血器腫瘍の多くは,その腫瘍性の証明は難しく,臓器障害を伴う原因不明の好酸球増加症の総称であるHESとして扱われている。最近,その一部にチロシンキナーゼ阻害剤が有効な分子異常の存在が明らかにされたが,多くはまだ原因不明である。近年,好酸球専門家が国際的に協力し,HESを現在知られている病態メカニズムに基づき分類し直し,より的確な診断や治療選択を目指して診断基準の改訂が試みられている。暫定的ではあるが,実地診療や今後の臨床研究に役立つと考える。