Japanese
English
原著
Hypereosinophilic Syndromeの2例
Two Cases of Hypereosinophilic Syndrome
松本 和彦
1
,
伊藤 隆
1
,
進藤 泰子
1
,
御子柴 甫
1
,
中野 武
2
,
斉木 実
3
,
吉江 治彦
Kazuhiko MATSUMOTO
1
,
Takashi ITO
1
,
Yasuko SHINDO
1
,
Hajime MIKOSHIBA
1
,
Takeshi NAKANO
2
,
Minoru SAIKI
3
,
Haruhiko YOSHIE
1信州大学医学部皮膚科教室
2信州大学医学部第三内科教室
3市立大町総合病院皮膚科
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Shinshu University
2Department of Medicine (Neurology), Faculty of Medicine, Shinshu University
3Department of Dermatology, the Ohmachi City Hospital
pp.559-563
発行日 1985年7月1日
Published Date 1985/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203277
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57歳女性,45歳男性のhypereosinophilic syndromeと思われる2例を報告した.2例とも気管支喘息発作,発熱,全身倦怠感,関節痛,皮疹,筋力低下,感覚障害などを生じ,検査所見でも末梢血の白血球増多と著明な好酸球増多,血沈の亢進,低タンパク血症,免疫グロブリン値の上昇およびリウマチ因子陽性などの血清免疫学的異常を示した.第1例は皮膚生検組織において血管周囲性に稠密な好酸球の浸潤を認めたが,血管炎の所見はなかった.ステロイドによく反応し,臨床症状,検査値は改善した.第2例は皮膚生検組織において血管周囲の好酸球浸潤が中等度であり,壊死性血管炎の像を示した.ステロイドに対する反応は不良であり死の転帰をとった.剖検にても全身諸臓器の細小血管に壊死性血管炎の像がみられた.好酸球の機能,動態が充分解明されていない現在では広い疾患概念であるhypereosinophilic syndromeとして,2症例ともまとめるのが適当である.
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