特集 超高齢化時代の血液疾患診療
3.高齢者急性骨髄性白血病の特徴と治療の実際
松下章子
1
,
石川隆之
2
Akiko Matsushita
1
,
Takayuki Ishikawa
2
1神戸市立医療センター中央市民病院 血液内科 医長
2神戸市立医療センター中央市民病院 血液内科 部長
pp.1693-1701
発行日 2013年11月30日
Published Date 2013/11/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201312041
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
急速に進行する高齢化社会を迎え,高齢者急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia:AML)の患者数が増えている。高齢者AMLでは,加齢による臓器機能の低下,併発症の存在,二次性白血病の頻度の高さ,予後不良染色体を有する頻度の高さなど,化学療法の治療成績を下げる要素が多数あるとともに,身体的ならびに疾患的特徴の個人差が著しく大きい。したがって,画一的でなく,最大の効果と最少の毒性を目指した個別化された治療が求められる。治療手段としては,標準的化学療法,少量化学療法,造血幹細胞移植,新規薬剤などが挙げられるが,適切な層別化に基づいた標準的治療アルゴリズムは確立されていない。現時点では患者の特性や,患者・家族の考え方に応じて治療法を決定していく他はない。