特集 慢性骨髄性白血病(CML)治療 ~残された課題~
3.イマチニブ抵抗性/不耐容の慢性期CMLの治療
薄井紀子
1
Noriko Usui
1
1東京慈恵会医科大学附属第三病院 腫瘍・血液内科 診療部長
pp.189-199
発行日 2013年1月30日
Published Date 2013/1/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201302189
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
BCR-ABLチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)のイマチニブは,慢性期CML(CML-CP)の治療成績を著明に向上させた。しかし,対症療法に反応しない重篤(Grade 3以上)な副作用,長期にわたる軽度(Grade 1, 2)な副作用の発現(不耐容)や,至適な治療効果未到達や喪失・再発(治療抵抗性)は,イマチニブ治療抵抗性/不耐容となり,第二世代TKIのダサチニブやニロチニブへの治療の切り替えが必要となる。いずれのTKIも9割を超えるCHRと4~5割のCCyRが得られる。ダサチニブ(100~140 mg/1~2回/日)は,抵抗性に対して6年-PFS/OS率が32~50%/67~73%,不耐容に対して53~66%/78~87%,ニロチニブ(400 mg×2回/日)も,抵抗性/不耐容CML-CPに対して4年-PFS/OS率57%/78%と,いずれも良好な長期成績が得られた。