特集 HIV感染症2013 ~現状と展望~
3.潜伏感染とそれを標的とした新規治療について
白川康太郎
1
Kotaro Shirakawa
1
1米国グラッドストーン研究所 研究員
pp.773-781
発行日 2013年5月30日
Published Date 2013/5/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201306773
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
多剤併用療法によりHIV感染症の予後は劇的に改善したが,治療を中断すると再びウイルスが増殖し,HIV感染者は一生にわたり投薬を受けなければならない。これは,静止期T細胞などに潜伏感染したHIVが多剤併用療法を生き残るためであり,治癒を目指すにはこの潜伏感染細胞を治療の標的にする必要がある。本稿ではヒストン脱アセチル化酵素を中心とした潜伏感染のエピジェネティックな分子メカニズムと,これを標的としたHIVの根絶戦略について最新の知見を紹介する。