特集 HIV感染症2013 ~現状と展望~
2.ワクチン開発の現状
史蕭逸
1
,
俣野哲朗
2
Shoi Shi
1
,
Tetsuro Matano
2
1国立感染症研究所 エイズ研究センター
2国立感染症研究所 エイズ研究センター センター長
pp.767-772
発行日 2013年5月30日
Published Date 2013/5/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201306767
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HIVの発見から30年が経過した今日,世界におけるHIV感染者数は未だに増加を続けている。エイズワクチン開発は,HIV感染の拡大を防ぐための必須戦略であり,国際的重要課題である。しかし現在まで,有効性の確立したワクチンの開発には至っていない。HIV感染症において,ウイルスは宿主獲得免疫によって排除されず,慢性持続感染が成立する。そのため,急性感染症に対して通用してきた従来のワクチン開発戦略をそのまま適用することは難しく,新たなワクチン開発戦略が必要となる。本稿では,この新たな挑戦の現状と展望について紹介する。