特集 HIV感染症2013 ~現状と展望~
1.抗HIV-1宿主因子研究の最前線 2)Tetherin&SAMHD1
小林朋子
1
,
小柳義夫
2
Tomoko Kobayashi
1
,
Yoshio Koyanagi
2
1京都大学 ウイルス研究所 ウイルス病態研究領域 博士研究員/JST・合原最先端数理モデルプロジェクト 研究員
2京都大学 ウイルス研究所 ウイルス病態研究領域 教授
pp.759-765
発行日 2013年5月30日
Published Date 2013/5/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201306759
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HIV-1の複製増殖を積極的に抑制する“抗HIV-1宿主因子”の存在が明らかになってきた。それらのHIV-1制御因子の中で,tetherinは細胞外へのウイルス粒子の遊離を抑制し,HIV-1ではVpuがその作用を拮抗する。一方,細胞内dNTP濃度を低下させることにより,ウイルス核酸合成を抑制するSAMHD1は,HIV-1にはなくHIV-2にあるVpxにより拮抗される。これらの抗ウイルス分子の最近の知見を紹介する。