特集 間葉系幹細胞を用いた細胞治療
5.間葉系幹細胞を用いた先天性骨代謝疾患の治療
弓場俊輔
1
,
竹谷健
2
Shunsuke Yuba
1
,
Takeshi Taketani
2
1独立行政法人 産業技術総合研究所 健康工学研究部門 組織・再生工学研究グループ 研究グループ長
2島根大学医学部附属病院 輸血部 講師
pp.487-493
発行日 2013年3月30日
Published Date 2013/3/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201304487
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先天性骨系統疾患に対する確立した治療法はない。そこで,我々は低フォスファターゼ症で致死的な周産期型を対象に,骨髄由来の間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cells:MSC)移植を行う「ヒト幹細胞臨床研究」に取り組んだ。今回,親をドナーとする骨髄移植を行った後,同じドナーからのMSCを複数回移植した。骨髄採取と細胞移植は島根大学,移植細胞のMSC培養は産業技術総合研究所が分担した。厳格な品質管理の下で培養されたMSCを移植した結果,骨が全く消失していた部位の骨石灰化も回復,生命予後を左右する呼吸障害も改善した。