特集 間葉系幹細胞を用いた細胞治療
4.間葉系幹細胞を用いた骨再生
早乙女進一
1
Shinichi Sotome
1
1東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 整形外科先端治療開発学講座 准教授
pp.479-486
発行日 2013年3月30日
Published Date 2013/3/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201304479
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MSCは骨分化能,骨形成能を有し,組織工学を用いた骨再生医療のセルソースとして期待されている。我々はデキサメタゾンを応用した培養法,低圧環境や自己血漿を応用した足場材への細胞導入法を開発するなど,組織工学的手法の工程に改良を加え,移植材料の骨形成能を向上させてきた。そして,サルの大腿骨の大欠損再生実験においては,5cmの骨欠損の再生に成功した。しかしながら,MSCの分化能は培養増殖により低下してしまうという問題も残存しており,MSCの移植による巨大骨欠損の再生をより確実なものにするためには,MSCの分化能低下に関するメカニズムの解明や,MSCの骨形成能を評価する指標が求められている。