特集 間葉系幹細胞を用いた細胞治療
3.間葉系幹細胞による急性GVHDの治療
村田誠
1
Makoto Murata
1
1名古屋大学医学部附属病院 血液内科 講師
pp.473-478
発行日 2013年3月30日
Published Date 2013/3/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201304473
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同種造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病(GVHD)に対する治療法として,間葉系幹細胞(MSC)の輸注が試みられている。文献レベルで数百症例の投与報告があり,HLA不一致の第三者(患者でも移植ドナーでもない)のMSCも用いられているが,これまでのところ重篤な副作用は報告されていない。治療効果は,対象としたGVHDの重症度やMSC輸注時の併用薬剤が異なることから報告によるばらつきが大きいが,ステロイド一次治療無効急性GVHDの寛解率は3割程度,寛解+部分寛解率は7割程度とする報告が多い。良くデザインされた比較試験での検証が望まれる。