特集 移植片対宿主病(GVHD)の制御
1.末梢血幹細胞移植におけるGVHD制御
長藤宏司
1
Koji Nagafuji
1
1久留米大学医学部 内科学講座 血液・腫瘍内科部門 准教授
pp.597-604
発行日 2013年4月30日
Published Date 2013/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201305597
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同種造血幹細胞移植の移植片として,末梢血幹細胞が用いられる。末梢血幹細胞は骨髄と比較して,CD34陽性細胞,T細胞およびNK細胞の数が多い。そのため,移植後の造血回復が早く生着不全が少ない,慢性移植片対宿主病が多くかつ重症である,重症の急性移植片対宿主病が多い可能性があるという特徴を有する。骨髄移植と同等の急性移植片対宿主病予防は,末梢血幹細胞移植では十分でない可能性がある。慢性移植片対宿主病に対する予防法を開発する必要がある。