特集 巨核球形成・血小板産生のメカニズムとその異常
4.生体分子イメージングによる血小板動態の可視化
西村智
1
Satoshi Nishimura
1
1東京大学 医学系研究科 循環器内科/東京大学 システム疾患生命科学による先端医療技術開発拠点 特任准教授
pp.339-346
発行日 2013年2月28日
Published Date 2013/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201303339
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生体でもっとも小さく核を有さない血小板は,多彩な生理作用を持つ。しかし,従来の手法では単一血小板は生体内で可視化することができず,生体での機能にも不明な点が多かった。我々は,一光子・二光子レーザー顕微鏡を用いた「生体分子イメージング手法」を独自に開発し,血栓症をはじめとする生活習慣病にアプローチしてきた。本手法を用いて生体内の血栓形成過程の詳細も明らかになり,iPS由来の人工血小板の機能解析も可能となっている。生体内での血小板の活性化機構と血栓止血機能,さらに,多彩な生命生理現象との関わりに対して,新規アプローチを中心に紹介する。