特集 巨核球形成・血小板産生のメカニズムとその異常
2.Bcl-2ファミリー蛋白によるアポトーシス制御を介した巨核球・血小板の生死調節機構
小玉尚宏
1
Takahiro Kodama
1
1大阪大学大学院 医学系研究科 消化器内科学
pp.325-330
発行日 2013年2月28日
Published Date 2013/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201303325
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巨核球造血ならびに成熟巨核球からの血小板産生の制御機構については,未だに不明な点が多い。近年,Bcl-2ファミリー蛋白を介したミトコンドリア経路アポトーシスが,血小板・巨核球の生死に重要な役割を果たすことが明らかとなった。Bcl-2ファミリーに属するアポトーシス抑制蛋白の中で,Bcl-xLが血小板寿命を制御しているのに対して,巨核球の生死にはBcl-xLとMcl-1の両者が協調的に作用していた。また,血小板産生時に巨核球のアポトーシスは必須ではなく,むしろproplatelet形成時における巨核球のアポトーシス抑制がその後の血小板産生に重要であった。