特集 巨核球形成・血小板産生のメカニズムとその異常
1.骨髄における巨核球系細胞の成熟分化機構
服部浩一
1
,
島津浩
2
Koichi Hattori
1
,
Hiroshi Shimazu
2
1東京大学医科学研究所 幹細胞治療研究センター 幹細胞制御領域 特任准教授
2東京大学医科学研究所 幹細胞治療研究センター 幹細胞制御領域
pp.317-324
発行日 2013年2月28日
Published Date 2013/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201303317
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造血幹細胞から巨核球系細胞への分化については,トロンボポエチン(TPO)に代表される造血因子の他に,接着分子や一部の増殖因子の関与が明らかとなっている。近年,TPOあるいはその受容体の遺伝子欠損マウスの解析を通じて,TPOに非依存的な巨核球系細胞の動態制御機構の存在が示唆されている。巨核球の成熟化,および血小板の産生過程においては,これらの細胞の骨髄内血管ニッチへの移行と血管内皮との接着のプロセスが重要視されており,各種プロテアーゼの活性化がこうした細胞動態の起点として機能している可能性がある。