特集 血球貪食症候群の病態と診療の新展開
5.リンパ腫と血球貪食症候群
新井文子
1
Ayako Arai
1
1東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 血液内科学 講師
pp.53-59
発行日 2012年12月30日
Published Date 2012/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201301053
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血球貪食症候群は,遺伝子異常を背景に発症する原発性と,他の基礎疾患に随伴して発症する二次性に分類されるが,多くが二次性である。本邦の15歳以上の症例では,基礎疾患としてリンパ腫が最も多い。合併頻度の高い組織型は,血管内大細胞型B細胞リンパ腫,節外性NK/T細胞リンパ腫鼻型,そしてEpstein-Barr virus陽性T/NKリンパ増殖症である。これらの主な病変部位はリンパ節外にあり,組織診断が難しく,かつ治療抵抗性を示す例が多い。臨床医は速やかで適切な診断に努める必要がある。