特集 血球貪食症候群の病態と診療の新展開
6.ウイルス感染と血球貪食症候群
白土基明
1
Motoaki Shiratsuchi
1
1九州大学大学院 医学研究院 病態制御内科学
pp.61-68
発行日 2012年12月30日
Published Date 2012/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201301061
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血球貪食症候群は高サイトカイン血症に基づく組織球活性化と,それに続く血球貪食,多臓器不全を来す症候群である。背景となる疾患は多様であるが,ウイルス感染が約半数を占め最も頻度が高い。近年,HLH-94と,それに続くHLH-2004プロトコールが示され,血球貪食症候群を包括的に管理する試みがなされている。EBウイルスによる血球貪食症候群は予後不良とされているが,症例の集積によりその病態が明らかになり,HLH-2004に基づく免疫化学療法や同種移植の導入などで治療成績向上が図られている。