特集 血球貪食症候群の病態と診療の新展開
4.自己免疫疾患と血球貪食症候群
辻隆宏
1
,
津田弘之
2
Takahiro Tsuji
1
,
Hiroyuki Tsuda
2
1熊本市民病院 血液・腫瘍内科
2熊本市民病院 診療部長
pp.41-52
発行日 2012年12月30日
Published Date 2012/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201301041
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自己免疫疾患の診療において,血球貪食症候群はしばしば経験する。誘因としては,自己免疫疾患自体の活動性,感染,薬剤があげられる。近年,全身性エリテマトーデス,成人発症スティル病,全身性若年性特発性関節炎に伴う血球貪食症候群の症例が蓄積されており,疾患単位での検討が進んでいる。難治症例では生物学的製剤が使用され一定の効果を示す反面,血球貪食症候群の誘発といった問題もある。ここでは全身性エリテマトーデス,成人発症スティル病,全身性若年性関節炎に伴う血球貪食症候群を取り上げ,最近の動向について触れる。