特集 血球貪食症候群の病態と診療の新展開
3.X-linked lymphoproliferative syndrome(XLP)/signaling-lymphocytic-activation-molecule-associated protein(SAP)の病態
星野顕宏
1
,
金兼弘和
2
Akihiro Hoshino
1
,
Hirokazu Kanegane
2
1富山大学医学部 小児科
2富山大学医学部 小児科 講師
pp.33-40
発行日 2012年12月30日
Published Date 2012/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201301033
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X連鎖リンパ増殖症候群は致死的伝染性単核症,低ガンマグロブリン血症,悪性リンパ腫を三徴とする原発性免疫不全症である。Signaling-lymphocytic-activation-molecule(SLAM)-associated protein(SAP)蛋白の欠損あるいはX-linked inhibitor of apoptosis protein(XIAP)蛋白の欠損によって生じる。SAPはT細胞,NK細胞,NKT細胞に発現し,SLAMファミリーレセプターと結合してシグナル伝達の制御にかかわっているために,SAP欠損はさまざまな臨床型を呈する。XIAPに関する分子病態の詳細は未だ明らかでない。今後のさらなるXLPの病態の解明が,疾患自体の理解だけでなく,普遍的な免疫応答のより深い理解につながると考えられる。