Japanese
English
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1990
I 最近話題の疾患とその病態
皮膚疾患におけるadhesion moleculeの動態
Adheshion molecules in skin diseases
塩原 哲夫
1
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine
キーワード:
cell adhesion molecule
,
LFA−1
,
ICAM−1
,
サイトカイン
,
固定薬疹
Keyword:
cell adhesion molecule
,
LFA−1
,
ICAM−1
,
サイトカイン
,
固定薬疹
pp.493-498
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900092
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種々の炎症性皮膚疾患においてしばしば表皮とリンパ球の接着を認める.この接着には,リンパ球上のlymphocyte function-associatedantigen1(LFA−1)と,表皮ケラチノサイト(KC)に発現されているintercellular adhesion mole-cule1(ICAM−1)とのreceptor-ligand typeのadhesionが重要であることが明らかとなった.ICAM−1は正常ではKCに発現されていないが,IFN—γ,TNFαなどのサイトカインにより発現が誘導される.リンパ球より産生されたサイトカインによりKCに発現されたICAM−1は,リンパ球などの表皮内浸潤において,重要な役割をしていると考えられる.固定薬疹の病変部表皮には,ICAM−1発現をdown-modulateできない異常KCが存在するため,同一部位に皮疹の再燃を繰り返すと考えられる.このようなLFA−1/ICAM-1interactionの制御は,これら炎症性皮膚疾患の治療の新しいアプローチとなるかもしれない.
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