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はじめに
脳機能を探究するためにはいろいろなアプローチが存在する。個々のニューロンの活動を直接記録する方法,損傷脳における症状を分析する方法,生体内に投与された放射性トレーサの発するγ線や生体内で発生した磁場や電流の変化を,種々の外部計測装置によって計測する方法などである。これらの中で,生きた人間における脳活動を直接非侵襲的に計測する方法は,これまで未知であった人間の高度な精神活動のなぞを解き明かしてくれる大きな可能性がある。コンピュータをはじめとする科学技術の進歩はわれわれの目では直接見ることのできない脳内部の姿をマクロのレベルからミクロのレベルにいたるまで再構築してわれわれに見せてくれる。本論文においてはこうした非侵襲的なアプローチのうち,方法論的にある程度確立しており,これまで高次機能に関するかなりの成果があがっているポジトロンCT(PET)による脳機能解析について解説する。
Positron emission tomography (PET) with intravenous injection of O-15 water allows regional cerebral blood flow (rCBF) images to be obtained repeatedly within a short period of time. Sinceincreased electrical activity in a specific brain region is followed by an abrupt increase in rCBF, the technique with O-15 water and PET is suitable for functional stimulation-activation studies. In general, the images are analyzed by making a subtraction image (activation minus baseline) and then identifying the activated areas on anatomical structures.
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