特集 腸内細菌と免疫系の関わり(臨床的な意義)~腸内細菌はどこから来てどこに向かうのか~
Ⅴ.腸内細菌叢が小児期の免疫アレルギーに与える影響
柴田瑠美子
1
Rumiko Shibata
1
1国立病院機構福岡病院小児科
pp.296-303
発行日 2019年2月15日
Published Date 2019/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201903296
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生後の腸内細菌叢の定着異常,変容(ディスバイオ―シス),構成菌の多様性の低下,Bifidobacteriumの低下,酪酸産生菌種の低下,短鎖脂肪酸(SCFA),とくに酪酸の低下は小児の腸管免疫系の発達に影響し,制御性T細胞(Treg細胞)の免疫寛容誘導の障害,Th2応答増強をきたし,小児期の湿疹・アトピー性皮膚炎,食物アレルギー(アレルゲン感作)と関連している可能性が指摘されている。腸内細菌叢の是正として,プロバイオティクス,プレバイオティクスが,アトピー性皮膚炎の発症予防,治療補助として検討されている。