特集 腸内細菌と免疫系の関わり(臨床的な意義)~腸内細菌はどこから来てどこに向かうのか~
Ⅳ.腸内細菌叢が乳児期早期の免疫の発達に与える影響
大坂利文
1
Toshifumi Osaka
1
1東京女子医科大学医学部微生物学免疫学教室講師
pp.287-295
発行日 2019年2月15日
Published Date 2019/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201903287
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腸内細菌は幼少期における免疫系の発達や機能に大きな影響を与えることから,免疫系疾患の発症リスクの増加に寄与している可能性がある。そのため,乳幼児期の腸内細菌叢の形成に影響を与える環境因子(栄養形式,分娩形式,母親の腸内細菌叢,抗生剤投与履歴など)は免疫系疾患の発症リスクの要因となりうる。本稿では,アレルギー性疾患や自己免疫性疾患の病態形成と関連する腸内細菌-宿主間相互作用(細胞内シグナル伝達,エピゲノム修飾,分子擬態を介した免疫応答調節など)についての知見を概説する。