特集 腸内細菌と免疫系の関わり(臨床的な意義)~腸内細菌はどこから来てどこに向かうのか~
Ⅲ.腸内細菌叢の起源 ~いかに母体から受け継ぐのか~
内藤裕二
1
Yuji Naito
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学准教授
pp.278-286
発行日 2019年2月15日
Published Date 2019/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201903278
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腸内細菌叢の定着における決定的な要因として母子環境が影響することが明らかとなりつつある。生後3年を経過すると個人の腸内細菌叢は安定化するも,その後の様々なライフスタイルの影響を受け量的な変動を示す。母子環境のなかでも,妊娠期の母体ストレス,母親の肥満や飢餓,食生活,感染症,出産様式,授乳様式,衛生環境,抗生物質投与などが複雑に関連する。