特集 腸内細菌と免疫系の関わり(臨床的な意義)~腸内細菌はどこから来てどこに向かうのか~
Ⅱ.腸内細菌叢とヒトの共生関係 ~ヒトは何を腸内細菌叢に求めるのか~
北條麻理子
1
,
永原章仁
2
Mariko Hojo
1
,
Akihito Nagahara
2
1順天堂大学医学部消化器内科先任准教授
2順天堂大学医学部消化器内科教授
pp.270-276
発行日 2019年2月15日
Published Date 2019/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201903270
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メタゲノム解析,プロテオミクス解析,メタボロミクス解析などの新たな解析手法の導入により腸内細菌叢の全容解明が進んでいる。以前より腸内細菌叢は宿主であるヒトと密接な共生関係にあることが知られていたが,腸内細菌叢の乱れた状態であるdysbiosisとアレルギー,炎症性腸疾患,がん,肥満,慢性便秘症,動脈硬化症,神経疾患,精神疾患,慢性腎臓病などの各種疾患との関係についての報告が近年増加している。さらに腸内細菌の制御により,これらの疾患を制御しようとする研究も多く行われている。