特集 過敏性肺炎の基礎と臨床 アップデート
Ⅺ.過敏性肺炎発症におけるIL-17,Th1/Th2の関与
石塚聖洋
1
Masahiro Ishizuka
1
1東京医科歯科大学呼吸器内科助教
pp.1594-1600
発行日 2018年11月15日
Published Date 2018/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/32018121594
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慢性過敏性肺炎はType 2 helper T cell(Th2)免疫優位であることが,ヒト,マウスで報告されている。急性過敏性肺炎は他の肉芽種性疾患同様,Th1免疫優位であるが,interleukin-17(IL-17)などのTh17免疫や好中球遊走が重要との報告もある。ヒトにおける吸入誘発では,6時間後の末梢血白血球,気管支肺胞洗浄液(BALF)中好中球上昇がみられ,マウスでも吸入48時間後,BALFで好中球上昇がみられた。以上より過敏性肺炎の推移として,① 吸入直後の好中球による肺障害,② 好中球炎症に続くTh1/Th17免疫応答,③ Th2免疫応答による肺線維化の3段階が考えられる。