特集 川崎病アップデート ~病因・病態論の推移と展望~
Ⅴ.免疫学的側面 ~自然免疫系は病因・病態に中心的な役割を果たす~
原 寿郎
1
Toshiro Hara
1
1福岡市立こども病院 院長
pp.1400-1408
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/32018111400
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川崎病は病態解析等から自然免疫系の活性化が重要な役割を果たしていると考えられている。我々はリピドミクス解析を行い,患児血清中に川崎病特異物質を高感度・高特異度で検出した。冠動脈異常と関連する川崎病特異的分子の構造解析により,その分子は動脈硬化の発症に関連する分子と共通のものであった。微生物由来の病原体関連分子パターン(PAMPs)と,PAMPsが宿主に作用することにより産生されるダメージ関連分子パターン(DAMPs)の両方がパターン認識受容体等を介し,主に血管組織と自然免疫細胞に作用し,川崎病を発症させると推定される。