特集 川崎病アップデート ~病因・病態論の推移と展望~
Ⅳ.病理学的側面 ~なぜ血管炎は冠動脈に集中するのか~
横内 幸
1
,
高橋 啓
2
Yuki Yokouchi
1
,
Kei Takahashi
2
1東邦大学医療センター大橋病院病理診断科講師
2東邦大学医療センター大橋病院病理診断科教授
pp.1394-1399
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/32018111394
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川崎病の本態は全身性血管炎で,大動脈から小動脈まで広い範囲の血管に炎症が生じるが,大動脈から分岐する中型筋型動脈に好発し,冠動脈が最も高頻度に侵される。川崎病において冠動脈に血管炎が好発する理由は明らかでないが,冠動脈の解剖学的,血行力学的特殊性が関与している可能性がある。さらには冠動脈が他の大動脈分岐動脈とは発生が異なることも,臓器特異性を考える上で重要と考えられる。