連載 記憶に残る症例(39)
好酸球性肺疾患症例の回想
川部勤
1
Tsutomu Kawabe
1
1名古屋大学大学院医学系研究科医療技術学専攻教授
pp.694-697
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201805694
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私が初めて全国学会で発表したのは平成2年(1990年)の第2回日本アレルギー学会春季臨床大会だった。遷延性肺好酸球増多症の1例報告で,もちろん,この症例は今も鮮明に覚えている。しかし,もっとも記憶に鮮烈に残っていながら,症例報告さえもできず,悔悟の念に苛まれてきた症例も,奇しくも好酸球が関連した肺疾患だった。昨年(2017年),好酸球研究の碩学で,アレルギー学会での招請講演を拝聴した私と同年代のJames J. Lee博士の訃報を一流誌が伝えた。今回改めて報告する今は亡き好酸球性肺疾患の患者さんとともに,心よりご冥福をお祈りする。