Ⅶ．ワクチン

　ワクチンは予防医療として重要な位置を占め，特に公費負担となっている感染症は，ワクチンのお陰で劇的に減少している。しかし，アナフィラキシーなどの重篤な副反応は非常に稀ではあるが起こり得る。いったん重篤な副反応を起こした例ではその後の接種を差し控えることになるため，正しい原因診断と，それに基づく，その後の接種への適切な対応も重要である。本稿では，ワクチンのアレルギー副反応と，診断，原因特定，そして対応について，最近の知見を含めて解説する。