Fetal Monitoring講座 基礎から臨床応用へ
Ⅶ. 胎動の評価
金岡 毅
1
,
井槌 邦雄
1
Tsuyoshi Kaneoka
1
,
Kunio Izuchi
1
1福岡大学医学部産婦人科学教室
pp.371-375
発行日 1981年5月10日
Published Date 1981/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206433
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胎動(fetal movement)は,妊娠母体が感ずる最初の胎児活動であり,産科医と母体とがともに観察しうる胎児安全(fetal wellbeing)の指標である。
胎動感quickneningは,初産婦で妊娠18週前後,経産婦で16週前後に感じられることから,出産予定日の推定に用いられ,胎動自覚から25週以上経過していれば90%の確率で妊娠38週以降であると推測するなどされている。最近になって,fetal monitoringが発達してくるにつれ,胎動もまた有用な子宮内胎児状態の指標であることが明らかとなり,一方,リアルタイム電子スキャンで,妊娠のきわめて初期から胎動の視覚的観察が可能となったり,電磁的記録計などによって胎動を直接的に記録することも可能となってきたこともあって、胎動の記録・分類,その臨床的意義,他の胎児情報との関連などについて研究されるようになってきた。そこで今回は,胎動について,近年わかってきたことを中心に述べてみたい。
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