特集 咳嗽をめぐって
Ⅲ.咳喘息 -患者数の増加,咳の重症度判定の仕方,喘息への移行-
小林このみ
1
,
長瀬洋之
2
Konomi Kobayashi
1
,
Hiroyuki Nagase
2
1帝京大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー学助手
2帝京大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー学教授
pp.502-508
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201804502
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慢性咳嗽のみを呈する咳喘息は気管支喘息の亜型と考えられており,日本においては慢性咳嗽の原因疾患として最も頻度が高い。好酸球性気道炎症や気道リモデリングを認め,吸入ステロイド(ICS)や気管支拡張薬がその治療に用いられる。咳嗽の客観的な評価方法としてはレスター咳問診票(LCQ)といった咳特異的QOL(quality of life)質問表がある。一時的な治療のみで軽快する症例もある中で,特に特異的IgE(immunoglobulin E)抗体陽性例で典型的喘息へ移行する傾向があるとする報告もあり,長期管理については今後も検討が必要である。