特集 咳嗽をめぐって
Ⅷ.咳喘息の一般臨床 -咳の見分け方と治療の仕方-
佐野靖之
1
Yasuyuki Sano
1
1東京アレルギー・喘息研究所所長/佐野虎ノ門クリニック院長
pp.544-552
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201804544
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咳喘息の咳嗽は,アレルギー性の体質の変化がまず起こり,その後に風邪ウイルスの感染があったりすると,2型自然リンパ球(ILC2s)が活性化され,その程度により咳の強さや期間が規定されてくると思われるため,今回の咳発作が何回目であるかを尋ねることが大切である。また,気道過敏性の亢進が見られることから,冷気,タバコや香水などのケミカルの臭いに敏感に反応しやすくなり,夜間症状(寝付けない,横になると咳込むため起坐位となる,夜中に数回目が覚める)だけでなく,昼間の接客や同僚との会話,電車の中や人混みで激しく咳込むようになる。治療としては吸入ステロイド剤が第一選択となる。