特集 アレルギーと脂質メディエーター アップデート
Ⅸ.プロテクチンとアレルギー
持丸貴生
1
,
福永興壱
2
Takao Mochimaru
1
,
Koichi Fukunaga
2
1慶應義塾大学医学部呼吸器内科助教
2慶應義塾大学医学部呼吸器内科専任講師
pp.382-387
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201803382
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近年ω3不飽和脂肪酸が抗炎症作用や炎症収束促進作用を有する脂質メディエーターに代謝されることが明らかになってきた。その中でドコサヘキサエン酸由来の脂質メディエーターとして最初にプロテクチンD1(PD1)が発見された。PD1は喘息マウスモデルにおいて抗炎症作用を示し,また我々の研究グループは重症喘息患者の好酸球においてその産生能が低下していることを明らかにし喘息病態への関与を示した。今後PD1をはじめとしたω3不飽和脂肪酸代謝産物の解析は新たな治療戦略や病態解明につながる可能性がある。