特集 アレルギーと脂質メディエーター アップデート
序 ~脂質メディエーター,アレルギーを加速?収束?~
久田剛志
1
Takeshi Hisada
1
1群馬大学医学部附属病院呼吸器・アレルギー内科診療教授
pp.305-307
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201803305
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アレルギーにおける脂質メディエーターの役割が分子レベルで解明されつつある。ω-6系脂肪酸であるアラキドン酸由来の代謝物は喘息の気道過敏性や血管透過性亢進に関与していることが遺伝子欠損マウスで明らかになった。炎症を惹起・亢進するメディエーターが存在する反面,炎症を収束し生体のホメオスタシス調整に寄与しているものの存在も明らかになってきた。おもにω-3系脂肪酸代謝物が作用している。アレルギーのアクセルあるいはブレーキとして,さまざまなメディエーターが場所や時間を変え,その役割を担っていると考えられる。