特集 アレルギーと脂質メディエーター アップデート
Ⅱ.喘息と脂質メディエーター
白石良樹
1
,
浅野浩一郎
2
Yoshiki Shiraishi
1
,
Koichiro Asano
2
1東海大学医学部内科学系呼吸器内科学研究員
2東海大学医学部内科学系呼吸器内科学教授
pp.320-325
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201803320
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アラキドン酸代謝産物であるプロスタノイドやロイコトリエンの中には強力な気管支平滑筋収縮作用や気道炎症増強作用などを呈する化合物があり,なかでもトロンボキサンA2の合成阻害薬や受容体拮抗薬,システイニルロイコトリエンの受容体拮抗薬は喘息治療薬として使用され,さらにプロスタグランジンD2の受容体CRTH2の選択的拮抗薬の開発が進んでいる。しかし,これらの脂質メディエーターあるいはその代謝産物はしばしば複数の異なるG蛋白共役型受容体あるいは細胞内受容体に作用し,時には正反対の病態をきたしうることをよく理解しておくことが重要である。