特集 花粉症の基礎と臨床 アップデート
Ⅳ.スギ・ヒノキ花粉症 主要抗原についての新知見
長田年弘
1
Toshihiro Osada
1
1大鵬薬品工業株式会社研究本部第二研究所/久留米大学先端癌治療研究センター
pp.180-188
発行日 2018年1月15日
Published Date 2018/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201802180
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
スギ花粉アレルゲン特異的免疫療法はヒノキ花粉飛散期の治療効果が低いことが知られている。先行研究により,ヒノキ花粉特異的な未知アレルゲンの存在が示唆されていた。筆者らはヒノキ花粉中の蛋白質を精査した結果,新規ヒノキ花粉主要アレルゲンCha o 3の同定に成功した。ヒノキ花粉ImmunoCAP陽性のスギ・ヒノキ花粉症患者は高率にCha o 3に感作されていることに加え,ヒノキ特異性が高いアレルゲンであることが示唆された。スギ・ヒノキ花粉症を標的としたアレルゲン免疫療法の治療効果最大化のために,ヒノキアレルゲン特異的免疫療法の開発が望まれる。