アレルギー疾患に対する生物学的製剤
Ⅱ.内 科 2.抗IgE抗体
永田 真
1
Makoto Nagata
1
1埼玉医科大学呼吸器内科 教授/埼玉医科大学アレルギーセンター センター長
pp.1624-1630
発行日 2017年11月15日
Published Date 2017/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201712054
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重症喘息の中で,家塵ダニや真菌類などの通年性環境アレルゲンに対するIgE抗体が証明される症例においては,抗IgE抗体オマリズマブの投与が考慮される。オマリズマブは各種の薬物療法に抵抗性を示す重症喘息においても,夜間症状や急性増悪頻度を抑制し,さらにコルチコステロイド投与量を減少させるなどの多彩な臨床効果を示す。抗IgE抗体は重症蕁麻疹や花粉症などにも効果を示すことから,特にこれらの合併例においては臨床的な有用性が高いほか,アレルギー性気管支肺アスペルギルス症などの難治性好酸球性疾患に対しても効果が期待される。