特集 職業・環境アレルギーの最前線
Ⅷ.職業性皮膚疾患の最前線
高山かおる
1
Kaoru Takayama
1
1埼玉県済生会川口総合病院皮膚科主任部長
pp.1510-1517
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201711078
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職業性疾患の中でもアレルギー性皮膚疾患は頻度が高い。ところが有害事象の報告数は決して多くなく,むしろ見逃されていることが懸念される。職業性アレルギー疾患の機序と原因を知り対策をとることは重要なため,その要点についてまとめた。機序は接触皮膚炎,接触蕁麻疹,タンパク質接触皮膚炎にわけられ,それぞれ原因と誘因になる職業には特徴がある。接触皮膚炎の場合には化学物質が,接触蕁麻疹・タンパク質接触皮膚炎はタンパク質が原因になる場合がそれぞれ多い。症状は主に手から前腕などの露出部に膨疹や湿疹病変として出現するが,時としてアナフィラキシーを引き起こすことがある。