特集 痒みのメカニズム2016
Ⅷ.全身疾患と痒み
端本宇志
1
Takashi Hashimoto
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野
pp.1244-1250
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201609068
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明らかな皮膚症状や瘙痒性皮膚疾患に痒みを伴うことは自明であるが,皮膚症状や原発性の皮膚疾患を伴わずに痒みが出現する症例もよく経験する。このような「皮膚病変が認められないにもかかわらず瘙痒を生じる疾患(但し掻破により二次的に掻破痕や色素沈着を生じることがある)」は皮膚瘙痒症と呼ばれ,その背景として,全身疾患,限局性神経疾患,精神疾患が隠れていることも多い。本稿では,原発性皮膚疾患にともなわず,全身疾患に関連した痒みとそのメカニズムを解説する。